兎に角私は、自分の
拵へる本は矢張自分で
拵へて、多少趣味とか、自分の好みとか云ふ物を入れたいと思ふ故、ついつい画家の方へ、無理な事を願つたことが多かつた。
この男は、頤の先に、鼠の尻尾のやうな髯を、申訳だけに生やして、踵が隠れる程長い※布衫に、結目をだらしなく垂らした茶褐帯と云ふ
拵へである。
その梢より根に至るまで、枝も、葉も、幹も、すべて青き色の毛布にて蔽ひ包みて、見上ぐるばかり巨大なる象の形に
拵へ候。
それは日本ではとても見られないような巨大な竹の根をくりぬいて、一匹の大きい蝦蟆を
拵らえたものであるが、そのがまは鼎のような三本足であった。
豫め自分の心の中に、こんな美人を
拵へて見やうと考へて、それに類似したモデルを探してかかるのであらうか。
まづ今までに類のない、大規模な旅行案内を
拵へて見ようと思つてね。
僕は昔の文人たちの雅号を幾つも持つてゐたのは必しも道楽に
拵へたのではない。
黄八丈の着物に黒羽二重の紋付と云ふ
拵へで人には医者だと号してゐる。
彌※なくなつて見ると、複本を
拵へて置けば善かつたと悔んだが始まらない。