併し、如上の事だけに満足が出来なく、自己の存在を明にする唯一の意識、即ち感覚そのものに疑を
挾む事も出来得るのである。
真剣であるならば、その態度に対して、第三者は、いさゝかの疑念をも
挾むことができないだろう。
之を天會七年の※髮の令と對比すると、金一代を通じて漢人——少くとも漢人で官吏たる者——の辮髮した事實に就いて、殆ど疑を
挾むべき餘地がない樣である。
一體わが國の紀元に就ては、隨分古き頃から疑ひを
挾む人があつた。
思へば臆病の、目を塞いでや歩行きけん、降しきる音は徑を
挾む梢にざツとかぶさる中に、取つて食はうと梟が鳴きぬ。