若紳士が言ったのは、例の、おいてけ堀、片葉の蘆、足洗い屋敷、埋蔵の溝、小豆婆、送り
提燈とともに、土地の七不思議に数えられた、幻の音曲である。
北条家の大道寺氏の小まといは、九つ
提燈であつた(甲陽軍鑑)。
氏神の夏祭には、水着を着てお宮の大
提燈を担いで練ると、日当九十銭になった。
やがて広場に出ると囃子のやぐらや周囲の踊場が
提燈や幕で美しく飾られていた。
その花を、たくましい腕のやうな蔓がひつ
提て、あちこち気儘にはひ廻り、そして私達の住居を囲み、私達夫婦の『繊細な暮し』を脅かしはじめた。
すると薄汚い支那人が一人、
提籃か何かをぶら下げたなり、突然僕の目の下からひらりと桟橋へ飛び移った。
如来が雷音に呼びかけた時、尼
提は途方に暮れた余り、合掌して如来を見上げていた。
天主と云う名に嚇されて、正法の明なるを悟らざる汝
提宇子こそ、愚痴のただ中よ。
脊丈より横幅の方が廣いほどな、
提革鞄の古いのを、幾處も結目を拵へて肩から斜めに脊負うてゐる。