私の
携へた書物は二三冊に過ぎなかつたと思ふが、その中に一つ、ロシヤ革命のことを書いたサックの『ロシヤ民主主義の誕生』といふ本があつた。
奇妙な黒い棺桶のような荷物をよく見れば、金色の厳重な錠前が処々に下りている上、耳が生えているように、丈夫な黒革製の手
携ハンドルが一つならずも二つもついていた。
こは家に釣の具の備への無きにはあらねど、猶ほ良きものを新に買ひ調へて
携へ行かんには必ず利多かるべしと思ひてなり。
余が去れる後数分、警吏は令状を
携へて平民社を叩けり、厳達して曰く「嗚呼増税」の一文、社会の秩序を壊乱するものあり依て之を押収すと、
それのみなら未だしも、成績の調査、缺席の事由、食料
携帶の状況、學用品供給の模樣など、名目は立派でも殆んど無意義な仕事が少なからずあるのである。
標とはもと擲槍の如き一種の武器の名で、この武器を
携帶せる標師を派出して、依頼を受けた旅行者を護衞するから、標局といふ名稱が出來たと云ふ。
これは養母の在りし日の榮華の記念物である古琴と共に東京へ
携へて來たのであつた。
各自一條の杖を
携へ、續々市街に入込みて、軒毎に食を求め、與へざれば敢て去らず。