全ゆる新流行に対して、その深い原理性を丹念に研究しなくとも直截に感覚からして其の適応性優秀性を意識出来る
敏感さを目立って発達させて来た。
何となれば酒、煙草、茶、とかう列べて見るだけで、
敏感な読者は、毒なくしては人生は極めて殺風景であることを感ぜらるゝであらう。
性慾の
敏感さ——凡て、執拗なもの、陰影を持つもの、堆積したもの、揺蕩するもの等がなつかしく、同時にそれ等はまたかの女に限りなく悩やましく、わづらはしかつた。
ビールの満をひいて顔をテラテラ光らせていたモダンボーイの帆村とは異り、もうすっかりシェファードのように
敏感な帆村探偵になりきっていた。
彼女の急性悒鬱症については、彼女の属する星野私立探偵所内でも、
敏感な一同の話題にのぼらないわけはなかった。
軍人達の悪徳に対する理解力は
敏感であって、彼等は女心の変り易さを知らなかったわけではなく、知りすぎていたので、こういう禁止項目を案出に及んだまでであった。
まことにもの想う人は、季節の移りかわりを
敏感に感ずるなかにも、わけていわゆる秋のけはいの立ちそめるのを、ひと一倍しみじみと感ずることであろう。
この天賦の
敏感によつて彼れは一つの大きな発明をしたが、私のこゝに彼れについて語らうとするのはそのことではない。