稀に
数奇を好んで本にも之が用いられるが、木に竹をついだ感じでおちつけない。
が、「玄鶴山房」の額や塀越しに見える庭木などはどの家よりも
数奇を凝らしていた。
無産派作家は、どうして、こうした
数奇な生活が、特種の人達にのみ送られるかを更に深く考えなければならない。
純八は老僕に手伝わせ、急いで褥を設けると、老僧を中へ舁き入れたが、是ぞ本条純八をして、
数奇の運命へ陥らしむる、最初の恐ろしい緒なのであった。
語を変へて之を言へば闘争、欝屈、不平、短気、迷想、剛直、高踏、逆俗等ありて
数奇不遇不幸惨憺の境界に誘ふに足る源因なかるべからず。