余、よって懐中日記中より
日月地名を除き去り、もっぱら宗教、風俗に関したる種目のみを取り出だし、一編の冊子となせり。
黒目勝の清しやかに、美しくすなおな眉の、濃きにや過ぐると煙ったのは、五
日月に青柳の影やや深き趣あり。
じっと其の声に聞き入りながら、もう大分移った六
日月の影を眼で追って、私は始めて今日一日の騒がしい行動の償いをなし得たと思った。
宇内を睥睨し、
日月を叱※せし、古来の英雄何すれぞ墳墓の前に弱兎の如くなる。
大師の如き、千歳の下に
日月とその光を爭ふ所の偉人を仰いで、修養の手本とするのが、極めて安全と思ふ。
どこまでも他を一個の人として存在させ、自分も一個の人として立ち、そして同じ
日月の下にこの生を了せんとする、といふ調子をもつて終始してゐた。
當日は一月ちがひの陰暦五月七日に當る夜とて、清らかな七
日月が深山をも都をもあまねく照してゐた。
かの長生殿裡
日月のおそき處、ともに※風の曲を唱するに當りてや、庭前颯と風興り、花ひら/\と飜ること、恰も霏々として雪の散るが如くなりしとぞ。