しかるにこの美麗なる上高地の峡谷に対して、
早くも残虐なる破壊が、その森林から始まった。
だがそれと同時に、
早くも此の新政府の要人連の間に、逆境時代には見られなかった内部的対立が兆していた。
のみならず人の悪い朋輩は、
早くもそれに気がつくと、いよいよ彼を嘲弄した。
そうしてさらにまたある一団は、縦横に青空を裂いている薔薇の枝と枝との間へ、
早くも眼には見えないほど、細い糸を張り始めた。
ことし五十を二つ三つ越えて商売馴れている孫十郎は
早くもそれを看て取った。
おどろきながら小者が、不審にたえないといったように首をかしげましたものでしたから、
早くもその烱眼のピカピカとさえたものは名人右門です。
美人現るると見ると、色めき立ちつつ、一斉に気負い出したので、
早くもそれと推定がついたもののごとく、微笑をみせたのは退屈男です。
早くも看破するところがあったとみえて、ずばりといいました。
口やかましく注進しているのを、
早くも隣の吟味席で聞きつけながら、ぴかりと陰険そうに目を光らしたのはあばたの敬四郎でした。