それから数十日経って、ぼくは久しぶりに
明るみへ出た。
薄暗がりから、そう言って街燈の下の
明るみへ出て来たのは、彼女の夫だった。
それに赤い夕陽が斜めに光線を投げて、木立の中に縞の赤い
明るみを織り出し、尚一入の奥床しさを添えている。
一木一草そよ吹く風すら、遠つ御祖の昔思い偲ばれて、さだめしわが退屈男も心
明るみ、恋しさ慕かしさ十倍であろうと思われたのに、一向そんな容子がないのです。
同じ晝ながら時のすゝむにつれて
明るみの増すやうに、同じ夜ながら更の闌けるにつれて闇は深まつて行く。
流された舟が、自分の蝋燭で
明るみながら、暗い川尻の方へ流れ漂つて行くのは、何となく、精靈の歸つて行く冥途といふやうなものを暗示させられて、哀れに眺められた。
しかし数秒の沈黙の後、まつ暗だつた台所は何時の間にかぼんやり
明るみ始めた。
明るみへ出て影を※ぎとられるか闇に骨まで呑み込まれてしまうかだ。
烏が時々周章てたやうな飛び方をして、少しそれでも
明るみの殘つてゐる地平線の方へ二、三羽もつれて飛んで行つた。