※「
易々諾々」の表記について、底本は、原文を尊重したとしています。
いかなる猛獣や毒虫が住むかも知れぬ原始の山野を歩くのに比べれば、南鮮と北日本を結ぶ航海の方ははるかに
易々たるものであったに相違ない。
死を見ること帰するが如しなどと看板を掲げて教育を施して
易々と註文通りの人間が造れるものなら、第一に日本は負けてゐない。
その生き神様のオメガネに
易々とかなうことのできなかった木々彦は、そのために村人になんとなく安ッぽく見られるような貧乏クジをひくメグリアワセになってしまった。
ただ心境の変化、電撃的翻意くらいで、そう
易々と片付けられるものではあるまい。
だから、彼等は
易々と道中する事が出来たのであつた。
しからばご免、と挨拶して競って箸をとり、椀の尻を握り、食うは食うはぺろりと食って予選通過は
易々たるもの、落伍者は極めて少数であったという。
それゆゑに、今日ほど、また、「沈黙」が良心にとつて
易々たる時代はないとも言へるのである。
彼れは普通の写真を見て、黒白の濃淡を凝視することによつて、写された物体の色彩が何んであつたかを
易々と見分けるといふことである。
今や往年の拿翁なしと雖、武器の進歩日々に新にして、他の拿翁指呼の中に作り得べし、以て全欧を猛炎に委する事、
易々たり。