が、御辞退申しましては反って御意に逆う道理でございますから、御免を蒙って、一通り多曖もない
昔話を申し上げると致しましょう。
ここの理髪店の主人は、そのむかし神田に床を持っていて、半七老人とは江戸以来の馴染であるので、ここらへ来たときには立ち寄って、鋏の音を聴きながら
昔話をする。
老人の
昔話はそれからそれへと続いて、わたし達のようにうっかりと通り過ぎて来た者は、却って老人に教えられることが多かった。
わたしが例のごとく半七老人をたずねて、面白い
昔話を聴かされていると、六畳の座敷の電灯がふっと消えた。
これは今云った悲劇喜劇のなかでは余ほど毛色の変った方ですから、自分のことじゃありませんけれど、受け売りの
昔話を一席弁じましょう。
老人はわたしの問うにしたがって浅草あたりの
昔話を聞かせてくれた。
何かまた
昔話でもしようじゃあありませんか」と、老人は食い荒しの皿小鉢を老婢に片付けさせながら云った。
わたしは半七老人から江戸時代の探偵ものがたりを聴き出すのと同じような興味を以て、この三浦老人からも何かの面白い
昔話を聴きたいと思った。
夫れ然り、然りと雖も話術家にして巧に話の筋を作為し、自ら之を演ぜんか、是れ素より上乗なる者、彼の旧套を脱せざる
昔話のみを演ずる者に比すれば同日の論にあらず。
松江では宴会の席にも度々出ましたし、自宅にも折々学校の先生方を三四名も招きまして、御馳走をして、色々
昔話や、流行歌を聞いて興じていました。