町は勿論とうの昔に人通りを絶っていましたが、
星ばかりきらめいた空中には、小やみもない風の音がどよめいています。
しかし
星も我我のように流転を閲すると云うことは——兎に角退屈でないことはあるまい。
その魚の躍った空にも、疎ながらもう
星の光が見えて、蔦蘿のからんだ橋欄の形さえ、いち早い宵暗の中に紛れている。
花火そのものは第二段として、あの安っぽい絵具で赤や紫や黄や青や、さまざまの縞模様を持った花火の束、中山寺の
星下り、花合戦、枯れすすき。
風の声も浪の水沫も、或は夜空の
星の光も今は再彼を誘つて、広漠とした太古の天地に、さまよはせる事は出来なくなつた。
入江の奧より望めば舷燈高くかゝりて
星かとばかり、燈影低く映りて金蛇の如く。
入り江の奥より望めば舷燈高くかかりて
星かとばかり、燈影低く映りて金蛇のごとく。
その姿は見えないが、瞬間瞬間光を消す
星の工合から、気味の悪い畜類の飛んでいるのが感じられるのである。