よくさうした心持ちは、まう一つ、やゝ大きな
暈のやうなものを伴つて起つて来がちであつた。
が、眼のまわりの
暈を見ても、何か苦労を堪えている事は、多少想像が出来ないでもない。
皮膚は一体に光沢を失って、目のまわりにはうす黒く
暈のようなものが輪どっている。
にぶいその灯のまわりに、秋の夜明けの寂けさが、
暈のように集っていた。
其影の
暈のやうに見える所を、長い間ぢつと見てゐると、ぢき側に球の形をした栓の木の浮標が見える。
左右の壁には、吊燭台や古風な瓦斯灯を真似た壁灯が、一つ置きに並んでいて、その騒ぎで立ち上る塵埃のために、
暈と霞んでいるように思われた。
が、さすがに川風はあり、ふと忍びよる秋のけはいを、枝垂れた柳の葉先へ吹き送って、街燈の
暈のまわりに夜が更けた。
起きている窓はなく、深夜の静けさは
暈となって街燈のぐるりに集まっていた。