楊はいい心持で聴いていると、
曲終るや、かの少年は忽ち鬼のような顔色に変じて、眼を瞋らせ、舌を吐いて、楊をおどして立ち去った。
有色人種特有の嘆きと浮れと決意のメロデーが運動筋を不思議に飜弄する(殖民地のお化)の
曲の波に乗つてダーポーシュ帽の赤い房が揺れる。
のみならず、この一篇で、私は独逸歌謡
曲特有の、あの親しみ深い低音に触れ得たことと思う。
二氏共に罪過論は偏
曲なり、又は小説に応用すべからずと断定せしのみにして、毫も其理由を言はず。
経には江戸三百年の風流を呑却して、万変自ら寸心に溢れ、緯には海東六十州の人情を
曲尽して、一息忽ち千載に通ず。
源太郎は年の故で稍
曲つた太い腰をヨタ/\させながら、銀場の横の狭い通り口へ一杯になつて、角帯の小さな結び目を見せつゝ、背後の三畳へ入つた。
「
曲翠問、発句を取りあつめ、集作ると云へる、此道の執心なるべきや。
久米は、
曲禄の足をなでながら、うんとかなんとかいいかげんな返事をしていた。