禽の、
朗かに囀ずる声は、峰から峰へと火がつくようである。
軽い笑は真面目な陰鬱な日常生活に
朗かな影を投げる。
渚のいさご索々として、あしたの日の色を
朗じ、滝の水冷々として、夜の月あざやかに浮かんだり。
と帆村は皮肉を云ったが、でも私が入ってきたときよりもずっと
朗かさを加えたのだった。
彼女は格子戸に掴まりながら
朗かに微笑んで出て行った。
葉が落ち散つたあとの木の間が
朗かに明くなつてゐる。
自分は敷島を啣へて、まだ仏頂面をしてゐたが、やはりこの絵を見てゐると、落着きのある、
朗な好い心もちになつて来た。
私はこの悲しさを味ふ度に、昔見た天国の
朗な光と、今見てゐる地獄のくら暗とが、私の小さな胸の中で一つになつてゐるやうな気がします。
そこで窓から後を透して見ると、彼等はもう豆のやうに小さくなりながら、それでもまだはつきりと、
朗な晩秋の日の光の中に、箒をかついで歩いてゐた。
徳二郎は平時の
朗かな聲に引きかへ此夜は小聲で唄ひながら靜かに櫓を漕いで居る。