そういうなかで、貞吉だけは、まったく
期待がないようなものだった。
更に最も時局の要請として一般の
期待がかけられてゐるのは、工場・事業場の労務管理関係である。
才気にまだどこか上滑りをしたところがあつて、未知数の部分は多いが、その将来には最も大きな
期待がもてる。
非常に易々と生れたことからもさう考へられるし、生れたものに対する一般の
期待が、相当大きいといふ事実もこれを証拠立ててゐる。
久々で日本の芝居を見ると云ふ興味、楽しいやうな怖ろしいやうな
期待が、余程私を神経過敏にしたでせう。
その上にまた、夏が終りに近づいた頃、来る日も来る日も、西の空に落つる夕日が真紅の色に燃え立って、人心に不安な
期待を、植えつけた。
結局唯物史観の源頭たるマルクス自身の始めの要求にして最後の
期待は、唯物の桎梏から人間性への解放であることを知るに難くないであろう。
自分の感覚でさえが自分の経験したことを信じないような場合に、他人に信じてもらおうなどと
期待するのは、ほんとに正気の沙汰とは言えないと思う。