並み
木もない本所の町々はいつも砂埃りにまみれていた。
のみならずどこか中世紀じみた門には太い
木の格子戸の向うに、霜に焦げた檜などのある、砂利を敷いた庭を透かしていた。
むかし、むかし、大むかし、この
木は山谷を掩った枝に、累々と実を綴ったまま、静かに日の光りに浴していた。
その中にただゴティック風の柱がぼんやり
木の肌を光らせながら、高だかとレクトリウムを守っている。
旧記によると、仏像や仏具を打砕いて、その丹がついたり、金銀の箔がついたりした
木を、路ばたにつみ重ねて、薪の料に売っていたと云う事である。
舊記によると、佛像や佛具を打砕いて、その丹がついたり、金銀の箔がついたりした
木を、路ばたにつみ重ねて、薪の料に賣つてゐたと云ふ事である。
其角に次いで羽根楊子をとり上げたのは、さつき
木節が相図をした時から、既に心の落着きを失つてゐたらしい去来である。
姫君はさう云ふ父母と一しよに、六の宮のほとりにある、
木高い屋形に住まつてゐた。
彼はただじっと両膝をかかえ、時々窓の外へ目をやりながら、(鉄格子をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない樫の
木が一本、雪曇りの空に枝を張っていた。