女の足で箕輪から山の手の番町まで往復するのであるから、時のかかるのは言うまでもないが、それにしてもちっと遅過ぎると十吉は
案じ顔に言った。
そんな噂を立てられては男の為にもならないと
案じた。
そこでこの機会に於て、遺言代りに、子沢山の子供の上を
案じてやってるんだあナ」
水戸はこの友情に篤いドレゴがその夜飲み過ぎたことと、日頃に似合わず虚無的な影に怯えているらしいことを
案じて彼の邸まで送って来たのである。
いろいろ思い
案じた挙句、今の内にお君と結婚すれば、たとえ妊娠しているにしても構わないわけだと気がつき、ほッとした。
将軍家のお側近う召さるるなどと、夢のようなことをたのみにして、心ばかり高う打ちあがり、末はなんとなろうやら、わたしは
案じられてなりませぬ。
日本橋呉服町に在る宏壮な建築物の二階で、堆く積んだ簿書の裡に身を埋めながら、相川は前途のことを
案じ煩った。
丈艸、去来を召し、昨夜目のあはざるまま、ふと
案じ入りて、呑舟に書かせたり、おのおの咏じたまへ
梅「寒いから一杯お飲べかえ、沢山飲むといけないよ、二合にしてお置よ、三合に成ると少し舌が廻らなくなる、身体に障るだろうと思って
案じられるから」
医師は昏睡が来る度毎に何か非常の手段を用いようかと
案じているらしかった。