僕は如何なる芝居を見ても、土間
桟敷に満ちた看客よりも面白い芝居に出会つたことはない。
偶然にも、さずきの転音に宛てた字が
桟敷と、桟の字を用ゐてゐるのを見ても、さじき或は棚が、かけづくりを基とした事を示してゐる。
と、この時舞台に近い
桟敷で、人々に交って見物していた二十五六歳の武士があったが、
ほのかな錆びた庭隅に池と断崖とが幾曲りにも続いて、眺めのよい小高見には
桟敷や茶座敷があった。
○八月二十七日、各劇場の座主は東京府へ召喚せられ、興行中は見物人の多少にかかわらず、
桟敷、土間の間数を標準として、日々百分の一の税銀を上納すべしと申渡さる。
当時、京都の四条河原に大仕掛の勧進田楽が催され、観衆が殺到して遂に
桟敷が落ち、多数の死傷者を出した。
なんでもこの時は内蔵之助が馬をひいて花道へかかると、
桟敷の後ろで母におぶさっていた私が、うれしがって、大きな声で「ああうまえん」と言ったそうです。