それから、この釣
棹を寄せて、一緒にして、その水の中をガバガバと掻き廻したんだそうです。
御柱を低く覗いて、映画か、芝居のまねきの旗の、手拭の汚れたように、渋茶と、藍と、あわれ鰒、小松魚ほどの元気もなく、
棹によれよれに見えるのも、もの寂しい。
足もとは暗いが、木の梢だけは、夜の空にかっきりと黒く張って、穂高の輪廓は、ボーッと、物干
棹でも突き出したように太く見える。
筏乗りが青竹の
棹をしごくと水しぶきが粉雪のやうに散つて、ぶん流し、ぶん流し行く筏の水路は一条の泡を吐いて走る白馬だ。
前略大宮人の退り出て遊ぶ船には楫
棹も無くて不楽毛漕ぐ人なしに (巻三。
船の中ではそのはずみに、三味線の
棹でも折られたらしい。
どの人も顔色を変えてあっと叫ぶ間に、船頭は
棹をすてて飛び込んだ。
彼はかういふ瓢箪舟に乗り、彼自身
棹を使ひながら、静かに湖の上を渡つて行つた。
夫婦ふたりの手で七、八人の子どもをかかえ、僕が
棹を取り妻が舵を取るという小さな舟で世渡りをするのだ。
夫は舟にありて
棹をとり、妻は岸上にありて、綱にて舟を曳く。