左手の壁には軽々とした棚があつて何か
横文字の絵入雑誌が一二冊置いてあつたやうだ。
のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいた藜の中に桃色、水色、薄黄色などの
横文字の表紙を濡らしてゐた。
宣教師は何ごとも忘れたように小さい
横文字の本を読みつづけている。
碌に読めもしない
横文字を辿って、大分興味を殺がれながら、尚おかつ外国の探偵小説をあさっていたのも、実は日本にこれという探偵小説がなかったからである。
私は、「アーニイ・パイル」の
横文字が、淡い、うす緑の五線紙型ネオンサインの色彩の中に明滅するのを、ジッと見詰めていた。
たとへば久保田万太郎君なぞは、純日本種の作家のやうに思はれて居るが、久保田君の小説には、プロロオグと
横文字に題を書いたのがある。
この日も秀林院様の仰せられ候は、日本国の女の智慧浅きは
横文字の本を読まぬゆゑのよし、来世は必ず南蛮国の大名へお輿入れなさるべしと存じ上げ候。
いつものように、地方の同志らしい未知の人からの、幾通かの手紙の中に、珍らしく
横文字で書いた四角い封筒が一つまじっていた。