繁昌な処と申しながら、街道が一条海に添っておりますばかり、裏町、
横町などと、謂ってもないのであります、その町の半頃のと有る茶店へ、草臥れた足を休めました。
のみならずこの家のある
横町も殆ど人通りと云うものはなかった。
おまけに窓の外を見ると、始終ごみごみした
横町に、麦藁帽をかぶった支那の車夫が、所在なさそうにうろついている。
その
横町の七八間先には印半纏を着た犬殺しが一人、罠を後に隠したまま、一匹の黒犬を狙っているのです。
二三ヶ所で問うて、漸く、見つけた家は、人通りの少ない
横町にあった。
それが不思議にも二年つづいたので、渡辺綱が鬼の腕を斬ったのから思い寄せて、誰が云い出したとも無しに羅生門
横町の名が生まれたのである。
電車のまだ開通しない時代であるから、尾張町の
横町から三十間堀の河岸へかけて、いろいろの露店がならんでいた。
半七も商売柄で、ふと立ちどまってその
横町をのぞくと、弁慶縞の浴衣を着た小作りの男がその群れをはなれて、ばたばた駈けて来た。
彼はそれを、どこか門の下の土台石の下へでも押し込むか、それとも何気なくおっことしておいて、つと
横町へ外れてしまうかしたかったのである。