水桶と縄のぼんでんとを立てのせた屋根も見え、その向ふには船の
檣が乱れ立つところである。
船の舳を噛む白いしぶきが、いまにも
檣のうえまでとびあがりそうに見える。
函館に来て、林なす港の船の
檣を見、店美しい街々の賑ひを見ただけの人は、いかに裏浜とはいひ乍ら、大森浜の人気無さの恁許りであらうとは、よも想ふまい。
函館に來て、林なす港の船の
檣を見、店美しい街々の賑ひを見ただけの人は、いかに裏濱とはいひ乍ら、大森濱の人氣無さの恁許りであらうとは、よも想ふまい。
まっさおに澄みわたった海に対してきょうの祭日を祝賀するために
檣から
檣にかけわたされた小旌がおもちゃのようにながめられた。