震前の一般社会の一切の事象を観るに、実に
欠けてゐたものは、恐懼修省の工夫であつた。
殊に、神道の方になりますと、土台から、宗教的な点において
欠けてゐるといふことが出来ます。
ただし五十本が一本
欠けても駄目ですよ、それをお忘れのないように——と言った。
尤、近代の河童には、此点の
欠けて居る伝説は多いが、以前はやつぱりあつたのである。
それは大口を明いて笑う幼童の歯並が、或るときは味噌ッ歯だらけで前が
欠けていたと思うのに、或るときは大きい前歯が二本生え並んでいたことがあった。
「つまり、翼が破れているとか、プロペラの端が
欠けているとか、座席の下に穴が明いとるとか、そういうボロ飛行機でよいのじゃ。
これまでの日本人には大変科学知識が
欠けていたし、今でも科学知識の摂取を非常に苦しがっている。
一方公卿の方にも、此等の粗野ではあるが単純な武家に対して、寛容さを欠いて居たし、之をうまく操縦する方略にも
欠けていた。
ただ、咄嗟の際にも私の神経を刺戟したのは、彼の左の手の指が一本
欠けている事だった。