「お
欠餅を焼いて、熱い香煎のお湯へ入れてあげるから、それを食べてご覧よ。
それからこれも足元にあった、
欠土瓶をヒョイと取り上げたが、ドクドクと水を注ぎ込んだ。
兄が東京へ伴って教育したのであるから、学問のことは勿論、行儀作法から女の芸事にかけては、何一つ
欠くるところがないまでに育て、そして躾けたのである。
英国王、世上一般ノ利益ノタメ
欠ク可ラザルノ良法ヲ採用セズ。
嗚呼、この幸福、ただ、
欠くるは余四十一にして、未だ一銭の貯へなきのみ、とある。
が、突然ふり返ると、さもがっかりしたように白墨の
欠を抛り出した。
私の徹夜癖は十九歳にはじまり、その後十年間この癖がなおらず、ことに近年は仕事に追われる時など、殆んど一日も
欠さず徹夜することがしばしばである。
人の一生を水晶の如く透明なるものと思惟するは非なり、行ひに於いては或は完全に幾きものあらむ、心に於ては誰か
欠然たらざる者あらむ。
私かにおもふに、全篇晶潔透明の趣なく、雅醇のむねに
欠くるところありと雖も、こは恐らく泣菫氏が敢てなさざる末技なるべきか。
その声はどんな雨の日にも風の日にも、これだけは
欠くることなく正確に一日に朝晩の二回は聞くことができた。