かうした先輩を持つた私の読書
欲が、ませない訳はありません。
咳が出る、食
欲が進まない、熱が高まると言う始末である、しのは力の及ぶ限り、医者にも見せたり、買い薬もしたり、いろいろ養生に手を尽した。
こう云う生活
欲に駆られていた彼は勿論原稿料の前借をしたり、父母兄弟に世話を焼かせたりした。
しかしその
欲のないのも感心だから、ほかにはまたとないような不思議な犬をくれてやろう。
温泉そのものは消極性の自分の病気には却つてわるいので、私はただ静かな環境にたつたひとりでゐることを
欲したのである。
こんなに年をとっててよせばよかったに、隣でも向こうでもやるというもんだから、つい
欲が出てね。
「ヘエ、ヘヘヘヘヘ」と彼は軽く笑ったが「イヤなまじすこしばかり見えるのもよくございません、
欲が出ましてな」
差向きおれが考へたいのは、侍従一人の事なのだから、——所でもう少し
欲を云へば、顔もあれぢや寂しすぎるな。