その物
欲しさのためには、籠をさげ袋をしよひ、みんなが山坂を歩いてゐたのだつた。
だから、彼の死は自然で、すこしも劇的でなく、芝居気がなく、物
欲しさうでないのだ。
あかんぼの声がすると思うて、廻つて見ると、山羊が、其もたつた一疋、雨
欲しさうに鳴き立てゝゐるのだ。
なぜなら、そこには、けばけばしさと、物
欲しさと、焦立たしさとがないからです。
そうして髪長彦が、また「嗅げにも負けないような犬が
欲しい。
夕冷えのする京都は、もう火桶が
欲しいほどの寒さである。
夕冷えのする京都は、もう火桶が
欲しい程の寒さである。
宿の入口に井戸川と云つて江戸川をなまつたやうな、些かもの
欲しさうな稱の流があつた。
「一体誰がはじめにそんなものを
欲しいと云い出したんだ」と人びとが思う時分には、尾羽打ち枯らしたいろいろな鳥が雀に混って餌を漁りに来た。