口頭詞章を改作したり、模倣したような文章・
歌謡は、ことに時代と個性との理会程度に、古代の表現法を妥協させてくる。
だが、当時実際の
歌謡界において、さうであつたと言ふ訣には行かないと考へる。
河童、猿、狼、熊、狐の類より、昔々の
歌謡に至るまで、話題すべて一百十九。
祭礼も宴会も儀式も、必しも
歌謡を要せなくなつた時代に始まつた文明は、後々までも、固有の歌を生まないものである。
口頭詞章を改作したり、模倣した様な文章・
歌謡は、殊に時代と個性との理会程度に、古代の表現法を妥協させて来る。
けれども、若し鶏の音が、古代の
歌謡に、ちつとでも、きぬ/″\の怨みを含めて居るとすれば、其には、もつと/\大きな原因から来て居るのである。
のみならず、この一篇で、私は独逸
歌謡曲特有の、あの親しみ深い低音に触れ得たことと思う。
民友子先つ頃「俗間の
歌謡」と題する一文を作りて、平民社界に行はるゝ音楽の調子の低くして険なるを説きぬ。