明るいガランとした本屋のホームで、先着の内木司法主任と警察医の出迎えを受けた私達は、貨物積卸ホームを突切って直に
殺人の現場へ案内された。
帆村探偵ともあろうものが、ヒョイと立って手を伸ばせば届くような間近かに、何時間も坐っていた
殺人犯人をノメノメと逮捕し損ったのだった。
「これが小説だと、凄い
殺人の場面か、茫然とするような神秘的な場面か、それとも華やかな舞踏会の場面からでも始まるのですが、事実談はそうは行きませんよ」
「絶対に処罰されない
殺人の最も理想的な方法は何でしょうか?」と会員Aが言うと、
それなので、訪れた支倉検事から
殺人という話を聴くと、ああまたか——という風な厭な顔をしたが、
「なんという不思議だろうこの石化は? 今なら、あの白い手がたとえあの上で
殺人を演じても、誰一人叫び出そうとはしないだろう」
予は
殺人の計画を再し、その実行を再し、更に最近一年間の恐る可き苦悶を再せざる可らず。
放火
殺人を行ひ、成るべく暴れ※りて政府を手古摺らせ、然る後に歸順に出掛けるのが、官吏となる出世法の一番捷徑といふ意味である。