南町は、関西鉄道の線路敷が高いどてを横へてゐなかつたら、今頃は、名実ともに、百年二百年
毛嫌ひを増上させて来た部落と、見わけがつかなくなつたはずである。
そこへもつて来て、文学本来の反俗的な精神と云ふものが、一般に使ひ古されてゐる表現を必要以上に
毛嫌ひをする傾向を生んだのであります。
文学者は、かういふ風にして、国語の使用権を狭められてゐるのみならず、言葉を
毛嫌ひすることによつて、実体を疎んずる結果を招いてゐることさへある。
さうかと思ふとおんつぁんは
毛嫌ひする老いた牝犬のやうに、勃凸をすげなく蹴りつけることもあつた。