緊張の
気分もやっと除れた私は、どこの土地へ行っても起るその土地の好みの服装とか美人とかいうのはどういう風のものであろうかと、いつもの好奇心が湧いて来た。
それさへ華やかに趣向を凝らし警戒の巡査と諧謔を交しながらの祝賀
気分だ。
また、それとは反対に、春になっても、福寿草の花が咲かないと、陽春の季節を迎えた
気分にはなれないのです。
まあ生きていたものを、東京の町中で食ったという単なる
気分だけのものである。
こういう場合、わたしはいつものんびりした気持になって、なんだかぼんやりと薄ら眠くなるのが習いであったが、きょうはなぜか落ちついた
気分になれなかった。
しかもその満足と悔恨とは、まるで陰と日向のやうに、離れられない因縁を背負つて、実はこの四五日以前から、絶えず小心な彼の
気分を掻乱してゐたのである。
で、自分を強いるようにその物足らない
気分を打ち消すために、先ほどから明るい障子に羽根を休めている蝿に強く視線を集めようとした。
最初は
気分だけで京都行に決定したことが後には帰郷と実際的の利害得失を比較商量する様になつた。
僕の仏教は勿論僕の身体を薫染した仏教的
気分に過ぎないのである。