フランス大詩人ステファン・マラルメ師の「クウ・ド・デ」という詩集を一見したときに、魂魄空中に飛びちり、ほとんど
気息を失うところであった。
虎之介は目をむいて唸ったが、直ちに目をとじて長々と
気息をととのえ、再び静々と語りはじめた。
而巳ならず近代の新しいそして繊細な五官の汗と静こころなき青年の濃かな
気息に依て染々とした特殊の光沢を附加へたいのである。
少しでも早く海の中につかりたいので三人は
気息を切って急いだのです。
が、やがて竹の筒を台にした古風なランプに火が燈ると、人間らしい
気息の通う世界は、たちまちそのかすかな光に照される私の周囲だけに縮まってしまった。
然しこの極つた
気息、つまり本当といふことは容易なことではない。