潭石の下には、大さ針の如くなる魚が、全身、透き通るように、青く染って、ぴったりと、
水底に沈んでいる。
錘は、流速の様子によって調節するのであるが、一匁から三匁くらいまでの間の錘が
水底へつかないほど速い流れには寒鮒は棲まぬものと考えてよかろう。
だが、青虫をにらんで
水底から水面へ一尺も飛び上がるのは、めったに見ないことだった。
錘が
水底へ着いたならば竿先で軽く浮木をあおると、錘は
水底を離れ浮木は水の上層に浮き次の動作に移るのである。
父は、池の岸に腹這いになって、
水底の藻草を叉手で掻きまわしている。
しかも、その痩身的な努力をみても、すでに法水自身が、
水底の轟に耳を傾けていた一人だったことは、明らかであると思う。
おれは石のやうに
水底へ沈みながら、数限りもない青い焔が、目まぐるしくおれの身のまはりに飛びちがふやうな心もちがした。
しかし、この新らしい高い堤防が役立つ時には、それも新らしい一大貯水池の
水底に葬り去られてしまうのであろう。
早速金で傭はれた其邊の舟子共幾人は魚の如く
水底を潛つて手に觸れる石といふ石は悉く岸に拾ひ上られた。