岩が覗くその又上から人が覗いているのを認めて、この上もない驚き方をして、
水鳥が慌だしく立つ様に、水煙を立て逃げ出した。
それに竜次郎は捕って、
水鳥が霞網に搦ったも同然、如何とも仕難くなったのであった。
ひらひらと
水鳥の白羽を道糸の目印につけて、鈎を流水の中層に流す餌にも山女魚の餌につく振舞に、何とも言えぬ興趣を感ずる。
それから錘の上一尺五寸ばかりのところへ、
水鳥の白羽を移動式につける。
冬がくれば、寒寄りのはやが道糸の目印につけた
水鳥の白羽を揺する振舞に、幼い胸をときめかした。
やはり、
水鳥の白羽の動きは、はやの当たりであったのである。
道糸を流して流れの七分三分のところまで行くと、目印につけた
水鳥の白羽がツイと揺れる。