けれどもこの謹厳な老看守の声明を裏切って、
汐巻灯台は、とうとう決定的な異変をひき起したのだ。
汐ふき顔の老人は、なんにも気がつかないという風に、兄妹のうしろをとおりすぎました。
わしは檣頭から
汐を噴いている鯨のやつらをちゃんと見たのだから、君がいかに頭を横にふっても、そりゃあ駄目だ」
その頃、陸奥の
汐汲みの娘が、同じ村の
汐焼きの男と恋をした。
「
汐路さまこそ口はばったいことをおっしゃりますな! 江戸錦はわたしのひいき相撲にござりますゆえ、めったなことを申しますると、晩にお灸をすえてしんぜましょうぞ」
水の落ちるのは、干潮の間僅かの時間であるから、雨の強い時には、降つた水の半分も落ちきらぬ内に、上げ
汐の刻限になつて終ふ。
船の運動は人の力ばかりでやるよりは、
汐の力を利用した方が可い、だから夜分も随分船のゆききはある。
其から日一日おなじことをして働いて、黄昏かゝると日が舂き、柳の葉が力なく低れて水が暗うなると
汐が退く、船が沈むで、板が斜めになるのを渡つて家に歸るので。