その
汚辱に毅然たるものゝ閃めきもなく、ひとたび芸術家の意識を忘れて、社会人としての意識からふりかへるなら、自分の小説ほど白日の下で読むに堪へないものはない。
冷酷な自己批判の笞は一々哀れな霊魂を鞭ちます——如何にも小生は立派な倫理道徳の
汚辱者に相違御座いません。
然らずんば、予が一生の
汚辱を披瀝せんとする此遺書の如きも、結局無用の故紙たると何の選ぶ所か是あらん。
嗚呼、神よ、若き人の心はいかに愛に滿ち、いかに
汚辱と虚榮とを忌むかを知り給ふならむ。
嗚呼、神よ、若き人の心はいかに愛に滿ち、いかに
汚辱と虚榮とを忌むかを知り給ふならむ。