——私はいつかうとうとと浅い眠に
沈みながら、それでもまだ腹の底には水のような春寒が漂っているのを意識した。
それから太陽が
沈み、涼しい夜の空気が栗の木蔭に漾つた時、二人は其処に坐つてゐた。
おれは石のやうに水底へ
沈みながら、数限りもない青い焔が、目まぐるしくおれの身のまはりに飛びちがふやうな心もちがした。
心は氷のように冷たく、うち
沈み、いたみ、——どんなに想像力を刺激しても、壮美なものとはなしえない救いがたいもの淋しい思いでいっぱいだった。
高い蝋燭は虚無のなかへ
沈み、その炎もすっかり消えうせてしまった。
昆布岳の斜面に小さく集った雲の塊を眼がけて日は
沈みかかっていた。
——都会は靄の底に
沈み、高い建物の輪郭が空の中に消えたころ、上層の窓にともされた灯が、霧の夜の灯台のように瞬いていた。