そこで、わたくしには其の拾遺といったような意味で、唐代の怪談総まくりのようなものを話せという御
注文ですが、これはなかなか大変でございます。
さてそのなかで、今夜の御
注文に応じるには何がよかろうかと思案しました末に、まずこの『録異記』をえらむことにしました。
なんでも二間か三間ぐらいで、ちょっと小綺麗な家で、家賃は一円二十五銭どまりのを見付けようという
注文だから、その時代でも少しむずかしかったに相違ない。
そんなわけだから、世界を江戸に取って虎の話をしろというのは、俗にいう『無いもの喰おう』のたぐいで、まことに無理な
注文だ。
「鶉の蒸焼を二皿」とか「腸詰を二皿」とか、ゼラール中尉はいつも他人の分までも
注文した。
蕎麦屋と云っても、池にむかった座敷へ通されて、老人が
注文の椀盛や刺身や蝦の鬼がら焼などが運ばれた。
午後四時の間食には果物、時には駿河屋の夜の梅だとか、風月堂の栗饅頭だとかの
注文をします。
くだらぬ台本を手にした場合、俳優に
注文をつける自分の声はいちいち空虚な響きをもって自分の耳にはねかえってくる。
ちょっとでもじっとしていられない葉子は、日本で着ようとは思わなかったので、西洋向きに
注文した華手すぎるような綿入れに手を通しながら、とつ追いつ考えた。