ひらひらと水鳥の白羽を道糸の目印につけて、鈎を
流水の中層に流す餌にも山女魚の餌につく振舞に、何とも言えぬ興趣を感ずる。
だが冬の続きの白雲はまだ青空に
流水の険しさを見せて、層々北から南へ間断なく移って行った。
さてまた同じ
流水にても、南北の流れにおけるは東西の流れにおけるのをかしきに如かず。
というよりも芥を永く溜めてはおけない
流水のように、新鮮で晴やかな顔がすぐ後から生れ出て晴やかな顔つきになる。
中にも、甲州地内猿橋から上野原まで、また相州地内の津久井の
流水に棲む鮎は、驚くほど形が大きい。
それから丁度一年経って木村富子さんの「花影
流水」という書物が出た。
佐藤春夫の車塵集を見ると、「杏花一孤村、
流水数間屋、夕陽不見人、※牛麦中宿」といふ五絶を、
しかし兎に角李九齢は窓前の
流水と枕前の書とに悠悠たる清閑を領してゐる。