そこは、遠くからみれば大乳海を呈し、はいれば、たちこめる花香のなかで生きながら
涅槃に入るという、ラマ僧があこがれる理想郷である。
明くる年の二月十五日は、お釈迦さまのお亡くなりになった御
涅槃の日でしたが、二歳になったばかりの太子は、かわいらしい両手をお合わせになり、西の方の空に向かって、
來た方をふり返ると大黒島の燈臺の灯だけが、聖者の
涅槃のやうな光景の中に、小賢しくも消えたり光つたりしてゐる。
僕は
涅槃を願はずして、
涅槃の風趣に迷ひたいのである。
で、今度はその「芭蕉
涅槃図」からヒントを得て、芭蕉の病床を弟子達が取り囲んでゐるところを書いて漸く初めの目的を達した。
観見世間是滅法、欲求無尽
涅槃処、怨親已作平等心、世間不行慾等事、随依山林及樹下、或復塚間露地居、捨於一切諸有為、諦観真如乞食活、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。