何でも当時は観山さんが谷中の寺で、描いて居られた時分で、
淡黄色の地に、蜻蛉と蛍草を白で抜いた。
髷も女優巻でなく、わざとつい通りの束髪で、薄化粧の
淡洒した意気造。
朝の内、
淡雲天を蔽ひたりしが、九時ごろよりは、如何にも春らしき快晴、日は小斎の障子一杯に射して、眩しき程明るく、暖かさは丁度四五月ごろの陽気なり。
路の左側の、桑畑の茂った上に、
淡墨色の空を背景として、しゃもじ形の怪物が、にょろにょろと浮かび上がった。
痕を残さない、濃さと
淡さの碧が、谷から舞い上る霧のほむらに、ぬらりと光る。
鮎が人に好まれるのは清
淡の味もさることながら元来特有な高い香気にあるのであるから、香気と渋味を尊ぶ腸を棄てては鮎を理解しないも甚だしい。
そして背の肌が
淡藍に細身の鮎は、風味賞喫するに足るであろう。
洗腸の液はしばらくすると、
淡黒い粘液をさらい出した。
しかし話し出すと昨日まで毎日顏を合してゐたとでもいふ風で、水のやうな
淡さである。
闇のいろはおのづから濃くなつたけれども、西方の空には、まだ
淡黄の光を再び絹ごしにしたやうないろが、澄み切つた蒼い空のいろにまじつて残つてゐる。