夏目さんは大抵一時間の談話中には二回か三回、実に好い上品なユーモアを
混える人で、それも全く無意識に迸り出るといったような所があった。
私はいつも講演のあとで覚える、もっと話し続けたいような、また一役済ましてほっとしたような——緊張の脱け切らぬ気持で人々に
混って行った。
毎日三時少し前になると、入場券を帽子のリボンの間に挾んで、ひょっこりプラット・ホームへ現れ、ほかの出迎人の中へ
混って、汽車の着くのを待っているのであった。
戦国の世は、日本同士の戦争であるから、スパイは、敵にも味方にも沢山入り
混っていたわけだから、元就のこういう後悔はすぐ敵方へ知れるわけである。
己が袈裟に対するその後の愛着の中には、あの女の体を知らずにいる未練がかなり
混っている。
地は三ッ堀に属し、鬼怒川の利根川に入り、両水衝撃滾
混して流るゝの処たり。
山に這入ると松茸の香がしめつた山氣に
混つて鼻に泌みる。
その
混り具合によって、兄弟の性格が各自異なっているのだと思う。
「一体誰がはじめにそんなものを欲しいと云い出したんだ」と人びとが思う時分には、尾羽打ち枯らしたいろいろな鳥が雀に
混って餌を漁りに来た。