太平洋戦争酣な頃、上州浅間山麓の焼石の原のまんなかへ、海軍関係の工場が建設され、いく百といふ召集
漏れの男子が徴用工として集められた。
といふのは、これまで屡々、私が特に推したものが選に
漏れてゐるからである。
私もご多分に
漏れぬ組であるが、日頃、政治や政治家に興味をもたなかつた酬ひがこゝに現れたのであつて、今更致し方がない。
即ち、私が通帳を無くしたために、元帳にある記帳
漏れが判ったことになり、私は一文も損をしなかったのである。
これは文学芸術に伝統主義を唱へる人でも認めて居ることであるが、歌に於てもその例に
漏れない。
翌日、二十五日陛下御誕辰の佳き日、三室戸様が御拝謁の折りは、丁度、画を叡覧遊ばされていらせられ、一層御満足の御様子に拝されたと
漏れ承りました。
かつまた、こうした場合のご多聞に
漏れず、だれ一人として相手の意見に賛成するものはありませんでした。
この倶楽部が未だ繁盛していた頃のことである、或年の冬の夜、珍らしくも二階の食堂に燈火が点いていて、時々高く笑う声が外面に
漏れていた。