あの焼け野の、爆撃の夜があけて、うららかな初夏の陽ざしの下で、七人の爆屍体を処理しながら、屍体の帽子をヒョイとつまんで投げだす若者の
無心な健康そのものの風景。
撫子 今日は——お客様がいらっしゃるッて事だから、籠も貸して頂けば、お庭の花まで御
無心して、ほんとうに済みませんのね。
さ、その
無心を叶えて貰っての帰りさ、通り懸ったのが今話しの第九工場の横手。
で、わしに会いに来たというのでは、また何か大それた
無心じゃろう」
一、人から
無心を言われるとき、私はそれに応ずるか応じないかは、その人と自分との親疎によって定める。
葉子の良人は
無心のように云ったが、葉子はいくらか胸にこたえてはっとした。
私は軽い貧血を起したやうなぼんやりした気持で、
無心に川を見下ろしてゐた。
農民が逃げて、主人がなくなった黒い豚は、
無心に、そこらの餌をあさっていた。
一切の塵労を脱して、その「死」の中に眠る事が出来たならば——
無心の子供のやうに夢もなく眠る事が出来たならば、どんなに悦ばしい事であらう。
一切の塵労を脱して、その「死」の中に眠ることが出来たならば——
無心の子供のように夢もなく眠ることが出来たならば、どんなに悦ばしいことであろう。