その代りに幸福なる批評家のやうに、彼自身の色盲には
頓着せず、「歌は到底文壇の中心的勢力にはなり得ない」などと高を括つてゐたことは確かである。
衣水子、木川子など、いずれも勇気勃々、雨が降ろうが火が降ろうが、そんな事には委細
頓着ない。
けれどもほかの若者たちはさらに彼には
頓着しなかった。
今とちがって、その当時の大久保のあたりは山の手の奥で、躑躅でも見物にゆくほかには余りに足の向かないところであったが、わたしはそんなことに
頓着しなかった。
が、小娘は私に
頓着する気色も見えず、窓から外へ首をのばして、闇を吹く風に銀杏返しの鬢の毛を戦がせながら、ぢつと汽車の進む方向を見やつてゐる。
唐桟の半天をひつかけた男は、煙草の煙にむせながら、思はず又苦笑を洩らしたが、鉄火な相手はそんな事に
頓着する気色もなく、手酌でもう一杯ひつかけると、
年なお若い君が妻などに
頓着なく、五十に近い僕が妻に執着するというのはよほどおかしい話である。
雲飛といふ人は盆石を非常に愛翫した奇人で、人々から石狂者と言はれて居たが、人が何と言はうと一切
頓着せず、珍しい石の搜索にのみ日を送つて居た。
子供はそんな言葉には
頓着する様子もなく、人を焦立たせるやうに出来た泣き声を張り上げて、夜着を踏みにじりながら泣き続けた。