今は此少年が再び
燈心草の屋根を葺いて、老人の残年を安らかにすごすべきたよりとした。
何月何日の何時までに竜
燈や造花を持って来いと云われた精神生活上の葬儀社である。
それでもまだ金の足りない時には赤い色硝子の軒
燈を出した、人出入の少い土蔵造りの家へ大きい画集などを預けることにした。
それからずっと堂の奥に常
燈明の油火が一つ、龕の中に佇んだ聖者の像を照らしている。
彼の顔のまわりには、十人あまりの顔が、皆まん中に置いた
燈火の光をうけて、赤く幕営の夜の中にうき上っている。
が、やがて竹の筒を台にした古風なランプに火が
燈ると、人間らしい気息の通う世界は、たちまちそのかすかな光に照される私の周囲だけに縮まってしまった。
彼女は馬車が鹿鳴館の前に止るまで、何度いら立たしい眼を挙げて、窓の外に流れて行く東京の町の乏しい
燈火を、見つめた事だか知れなかつた。
現にその晩も無尽
燈は薬種の匂の漂つた中に、薄暗い光を放つて居りました。