……鵯が南天
燭の実、山雀が胡桃ですか、いっそ鶯が梅の蕾をこぼしたのなら知らない事——草稿持込で食っている人間が煮豆を転がす様子では、色恋の沙汰ではありません。
——南天
燭の紅い実を目に入れた円い白雪は、お定りその南天
燭の葉を耳に立てると、仔細なく兎である。
ずっと向うの十字路には、架空式の強い
燭力の電灯が一つ、消しわすれたように點いていて、そのまわりだけを氷山のように白くパッと照しだしていた。
ここまで来ると、カトリーヌは教会の扉があいていて、たくさんの大きい蝋(
燭の灯)が洩れているのを見たのです。
一夕友と与に歩して銀街を過ぎ、木挽町に入らんとす、第二橋辺に至れば都城の繁熱漸く薄らぎ、家々の
燭影水に落ちて、はじめて詩興生ず。
炭火は赤く爐に燃え、
燭は煙つてだらだらと蝋を流し、皿の中からは春さきの溝のやうな臭が立つ。
靜かな物音がすると愛らしい女童が、
燭をとつて板戸の蔭からあらはれたが、灯を片隅に置くと再び出て行つて、此度は果物を盛つた美しい籠を捧げてあらはれた。
まだ形も定らずに茫然とした神は火の消えた釣
燭臺のやうに、暗闇の「三角」が自然に出來た。