歴史の中に生き残ると、アドルフのような
片すみの文学も、百何年かに千万人に読まれるのだから、百万という数は、傑作の読者数の単位としては少なすぎるようだ。
かりそめにも、博士の肉一
片すら、そこに残っているとは思えないのじゃよ」
そう云う時には、ほかに仕方もないから、うす暗い客舎の
片すみで、鼠を相手に退屈をまぎらせながら、いつもなら慌しい日の暮を、待ちかねるようにして、暮してしまう。
しばらくするとくまは、このときまで、まだ、うす暗い
片すみにじっとしている鶏の方を向いて、
吉雄くんは、お家へ帰って、さっそく、庭の
片すみにあったいちじゅくの木を、圃へ移してやりました。
そこは運動場の
片すみであって、かなたには青々としていねの葉がしげっている田が見え、その間を馬を引いてゆく百姓の姿なども見えたりするのでした。
妙信 あんなに跳り込んで、また本堂の
片すみにつく這いながら、自分の邪婬は知らぬことのように邪婬の畜生のとわめくのがはじまろうわ。
ここはかねて聞いていたさの字浦で、つの字崎の
片すみであった。