あいつはその留守の間、僕の所へ来ていたのだが、いよいよ戦争も
片がつくと云う頃から、急に神経衰弱がひどくなり出したのだ。
はい、あの死骸は手前の娘が、
片附いた男でございます。
もし、まだ
片のつかないものがあるとすれば、それは一党四十七人に対する、公儀の御沙汰だけである。
そしてその補
片が、耳を引っ張られるときの緩めになるにちがいないのである。
沢庵を洗い立てたるように色揚げしたる編
片の古帽子の下より、奴は猿眼を晃かして、
「ハア、お出で御座います、貴様は?」と
片眼の細顔の、和服を着た受付が丁寧に言った。
霧は林を掠めて飛び、道を横つて又た林に入り、真紅に染つた木の葉は枝を離れて二
片三
片馬車を追ふて舞ふ。
潮遠く引きさりしあとに残るは朽ちたる板、縁欠けたる椀、竹の
片、木の
片、柄の折れし柄杓などのいろいろ、皆な一昨日の夜の荒の名残なるべし。
けれども今、冷やかな山懐の気が肌寒く迫ってくる社の
片かげに寂然とすわっている老年の巫女を見ては、そぞろにかなしさを覚えずにはいられない。
わらくずやペンキ塗りの木の
片が黄緑色に濁った水面を、一面におおっている。