夏から秋には蓮根、小さい
玉葱、細いんぎん、さといも、冬ならば大根か小かぶの煮物。
唯憾むらくは残虐を好み、屡侍女の耳などを削いでは
玉葱と一しよに食ふさうである。
しかしその他の当り前の言葉——たとへば
玉葱、天の川等を特に季題とすることは寧ろ句作には有害である。
目はその間も額縁に入れた机の上の
玉葱だの、繃帯をした少女の顔だの、芋畑の向うに連った監獄の壁だのを眺めながら。
剥いでも剥いでも、たやすく芯を見せない
玉葱のような強靱さを持っていた人だ。
副食物は牛肉又は豚肉半斤、魚肉半斤、
玉葱又はその他の野菜若干量という約束のところを、二三尾の小鰯に、十日に一度、茄子が添えられるだけであった。